いつもはお嬢様な姉がベジータになる時

姉はお嬢様って感じだ。

背筋や指先がピッと伸びていて常におすまし顔をしており、笑う時も「うふふ」と上品に笑う。

 

知り合い達は姉のことをどこぞの麗しきお嬢様だと信じて疑っておらず、口々に「休日は温室の花の手入れをしていそう」だの「洋犬が走り回る庭園でお茶していそう」だの「ミースミートパイとか作っていそう」だのと言う。

 

そんな姉がベジータになる時があることを私以外に誰も知らない。

 

というのも、先日家でお雛様を飾った時のことだ。

 

「やっぱり雛人形は良いわねぇ」

「そうよねぇ」

という呑気な会話をする姉達の元に紅茶を持っていこうとしたら扉越しに聞こえてきたセリフがこちら。

 

姉「なんだこれ、きったねぇ箱だなぁ」

 

「「「きったねぇ箱」」」

 

数十年もののお雛様が入っていた箱だからね…。

 

 

作成者 生活指導の先生に言葉遣いの悪さを指摘されているクラスメイトの横でお尻をかきながら通り過ぎたら出席簿で叩かれたあかね