夜30分おきに自衛隊員

これは今年初めの頃の話だ。

 

母乳育児の最難関かなと思っている断乳。成長する流れのままに自然と卒乳する日を待っていたが、ここにきてそれを強制的に行う可能性がでてきた。

 

というのも、うちの子は夜寝たと思ったらすぐに起きるのだ。長く寝るようになったなぁと思っていたら今度は急に頻繁に起きるようになってしまった。添い乳で寝かせているので元々2・3時間おきに目覚めるのだが、ここんところは朝までずっと30〜45分間隔である。

 

そんなショートスリーパーもびっくりな短時間睡眠の上、添い乳の最中に私はアクロバティックなポーズをして子を潰さないように気をつけているのだ。普通に横に寄り添うだけでは飲みにくいらしくめちゃくちゃ引っ張られるし、下手をしたら噛みつかれるので仕方ない。

 

だがヒジョーーーーにツラいっ!眠気に耐えて体を子に沿わせながら添い乳するのが30分おきという現状に体は悲鳴をあげるしかない。

 

ちなみに添い乳中は服や掛け布団は邪魔になるため薄着の布団なしで挑んでいるので、眠気や疲れとの戦いだけでなく凍りつくのも時間の問題だ。なので添い乳は何かの修行の一環。もしくは何か悪いことをした罰として甘んじて受けよう!というノリで乗り切っていたのだが、それもそろそろ限界だ。寒過ぎる。

 

ただでさえ冬真っ盛りで冷えるのに「10年に1度の寒波到来」などとニュースから流れてきた時には絶望を感じたが、この状況はすぐに変えることはできない。なぜなら子が乳離れするには準備と根気がいる。初めの数日〜数週間は大泣きして欲しがるのを阻止しなければならないので今日から断乳しましょというわけにいかないのだ。

 

寒さに関しては手っ取り早く部屋を温めればいいがじゃないかと思うかもしれないが、10年に1度の大寒波はエアコンにも打ち勝つらしい。いくら設定温度を上げても室温はほとんど変化なし。そんななか私は薄着で過ごすしかないので、当然すぐには寝られないのも困ったことである。

 

しかも添い乳を終わらせて子から離れ、掛け布団に潜り込んで一眠りしようとすると衣擦れの音で子が起きてしまうのも困る。子の敏感さにも拍車がかかってきているので、起こさずに眠るためには掛け布団を断念することもある。そうなると寒くて寒くて泣きたくなるのだ。

 

そして我が子の場合は目が覚めたらガバッと起き上がってしまうので、眠気から覚醒しやすいのも問題だ。そのまま寝転んでポーとしてくれれば再入眠できやすいのだが、自衛隊並みにパッと起きる。もちろん頭は半分どころか9割はまだ寝ているので無意識だろう。抱っこして横に寝かせて、再び添い乳スタート。それが今は30分おきだからもう泣けてくる。

 

ただ、たまーに3時間くらいは続けて寝てくれる。いつもの6倍の時間だ。今の私にとってはダイヤモンドよりも大切な時間である。そうなるとその時間はしっかりと自分の睡眠&回復時間として使おう・・・と思うだろう?しかしそうはいかない。何故ならいつその3時間が来るのかわからないからだ。

 

そしてそういう時に限って「どうせ30分したら起きるんだから待ってよう」などと身構えて待っているうちに3時間経ってしまうのだ。その貴重な3時間をなぜ一緒に寝なかったのか、悔やんでも悔やみきれない。もう頭はガンガン視線はフラフラ。それでも朝はやってくる。

 

…とまぁ新年早々大変な目にあっていたのだ。

しかし幼児の成長は早い。あれから4ヶ月経った今は睡眠間隔や寝方がまた変わった。

 

アクロバティック添い乳は変わらないが、気が済んだら自分から寝返りを打って離れることも増えてきた。そして1番のネックだった睡眠時間だが、基本的には1時間半〜2時間は続けて寝てくれるようになったのだ。まぁ3・40分で起きることもまだまだあるものの、朝までずっとそのタイミングということはもう無い。とはいえまだ親の睡眠時間としては短いし疲れが溜まるので、子と一緒に元気いっぱいに一日中過ごす体力は蓄えられない。でもそれなりに気持ちの余裕はできてきたのがよかったなという感じだ。

 

それでも先日、久々に疲れ果てて昼間に寝落ちするという事件が起きた。いつもなら娘が起きている時間に私だけ寝てしまうことなんて絶対にない。けれどこの日だけは限界だった。

 

そもそも大抵は少し寝転んでいるだけで「なんで寝てるのー!起きてよー!」と泣いて指を引っ張り起こそうとしてくるので根性で起きることになる。今左手の親指に痛みがあるのはそれのせいだ。カックンカックンと変な音と共に変な方向にギュインと曲がるし、地味に困っている。しかしその日はミチタさんもいたおかげか起こされることなく爆睡をかますことになった。

 

いやぁ〜それがもうね…嬉しくて嬉しくて涙が出た。本気でちょっとうるっとしたくらいだ。

 

だっ娘が生まれてからというもの、朝も昼も夜もずーーーーっと側にいて世話をするのである。離れる時なんてトイレに行くかお風呂やトイレの掃除くらいだ。それでも大泣きされることもあるのでなかなか1人になる時間が無い。

 

それが、自分一人だけでベッドを占拠!しかも自分の為の睡眠時間を確保できたのだ!!私的には大事件である。

 

ただ、寝起き直後は何故私が1人で寝ているのか状況が理解できずに困惑した。何故私一人でベッドで寝ているのか。外が明るいということは今はお昼。これまでそんな状況にいたことがないので何が何だかわからず、パニックに陥ったのだ。しかも娘もミチタさんも家の中にいなかったので更に慌てた。

 

「なんだなんだ、こりゃどうしたことだ」と焦りつつまだボーッとする頭でフラフラと玄関に向かったところ、ミチタさんの靴がないことに気づく。ということは…

 

現在時刻は娘のいつものお昼寝時間

靴も抱っこ紐もないので2人でおでかけ中

ミチタさんが娘を寝かしつけお散歩

 

ふむ、そういうことか!とようやく納得がいって安堵した。と同時に寝てしまったことを申し訳なく思った。しかも寝ていたので家事が進んでいない。ということでアワアワしながら掃除や片付けをすることにした。

 

だが今冷静に考えると、その思考ってなんだか洗脳されたブラック企業社畜っぽい。いつもせかせかと身を粉にしてお世話する癖が染み付いていたが、別に幼子を1人にして自分だけ意気揚々と寝ていたわけじゃない。いつも寝かしつけは私だったので仕事を放棄した気分になってしまったが、そんなことはない。親も休める時は気にせず休めばいいのだ。

 

ということで今回起こさずにいてくれた娘にも、寝ている間に娘を見ていてくれたミチタさんにも感謝である。感謝感激雨あられである。なんかもう本当にありがとう!という気持ちでいっぱいだ。お昼に1人でゆっくり眠れる時間がこんなにも嬉しいことだとは思わなかった。

 

世の中の育児をしている人たちは、たまにはパートナーに完全なる自由時間をあげてほしい。寝るもよし、映画を見に行くもよし。エステに行くも買い物に行くも本人の自由だ。毎日子供と関わり続けるとどうしても気持ちも体力も削られてしまうので、そうした機会が必要である。

 

子育て事情にもよるが、子の世話を交代する人がいる家庭であればそれを最大限に活かして心も体も休まる大事な機会を作ろう。それは1日でも1時間でも構わない。とにかくその時間は全力で休むのだ。そのおかげで親は幸せウキウキらんらんらんとなってまた子育てや家事や仕事に専念できるのだから。

 

 

 

作成者 自衛隊員(娘)の寝相が酷くなってきてベッドの1/5で寝ているあかね