お姉さんとバトルエンカウント

混雑している駅ではなるべく譲り合いながら歩きたいものだが、そうもいかない時がある。

 

先ほどのことだ。

私は将棋で言うなら「歩」なので、直進しかできないような状況にあった。

両側にも真後ろにも人がいて逃げられないわけだ。

周りも沢山の人が歩いていて、隙間を縫って掻い潜ろうにもその隙間が無い。

 

そんな中、目の前からお姉さんが来た。

こちらはどこにも避けようが無いので向こうが避けてくれるのを願っていたのだが。。。

 

〜(突然だが)ポケモンバトル開始〜

お姉さんの目がギラッと光った。
にらみつける」だ!

私のぼうぎょ力が1下がった!

お姉さんは肩にかけたバッグをギュッと握りしめて体を硬直させた。
かたくなる」だ!

お姉さんのぼうぎょ力が1上がった!

私は身動きがとれない!

お姉さんはスピードを上げて向かってきた。
とっしん」だ!

私は4のダメージ!
お姉さんは1のダメージ!


とまぁその意地悪なお姉さんは挟まれて前進しかできない私の方へわざとぶつかってきたわけである。

ちょっと痛かった。

体格差が無ければもっと痛かっただろうが、それだけが功を奏してダメージは少なく済んだ。

 

いやね、もしかしたらお仕事帰りで精神疲労で情緒不安定なのかもしれないけどね。

そりゃあないよ、お姉さん。

 

なんかもう途中からポケモンにしか見えんかったもん。

野生の。

 

今日はついてないなぁ。あーあ。

きずぐすり(コンビニスイーツ)でも買って帰ろう。

 

 

 

作成者 単三電池4つ必要なゲームボーイでやるポケモンしか分からないあかね