今はまだおいそれと気軽にお出かけするのは憚られる微妙な時期・・・はもう通り過ぎただろう。自主的に外出自粛を続けている人もいるが、世間は自粛期間が明けてから早数ヶ月。町は再び活気を取り戻し、もうそろそろ落ち着いてきた頃である。ただし元に戻りました!と言うわけでは無く、新しい生活様式のもとに皆で気をつけながらおでかけしている。とはいえ感染者はまだまだ多い。検査数が増えたから当たり前だという話も聞くが、増加傾向にないだけでトータルの人数は多いと言えるだろう。
というわけで依然として悩んでいるのは髪のことである。もー重い。ここ数年一度も切りに行っていないので、ずしんとした重さが厄介で仕方ない。
最初は「コロナのせいで髪を切りに行けない!」などと言っていた私だが、もうそんな言い訳は通用しない。単に面倒で行っていないだけだ。あと美容院代に使うなら激辛ラーメン食べに行くとかしたい・・・。
などと食い気を優先したことで私のスーパーロングヘアが首や肩にダメージを与え始めた。毛量が多い人は分かるかもしれないが、重すぎて首が酷く痛むのだ。重みで首が後ろに引っ張られるので、しょっちゅう首の後ろを伸ばすストレッチをしないと骨が曲がるんじゃないかというほどである。
というかもう首を前に倒すと背中がビーンと張っている感じがして激痛が走る。こりゃそのうち曲がるか縮みそうだ。首が縮んだらアダムスファミリーに出てきた首のない男の人(誰だっけ?)になりかねない。もし美しい艶々うるうる髪だったら水分をしっかりと含んでいるのでもっと重かったろう!痛んでてよかった!と思うと同時に虚しくなった。私だってやっぱりうるつやがいい。私の髪に合うシャンプーやトリートメントにはいつになったら出会えるのだろうか・・・。とまぁカッサカサなのは仕方がないのだが、そんな髪でも重くてしんどいのだ。なら美容院に行けばいい。それだけである。
しかしながら見知らぬ人との距離が近いのがちょいと気になるのだ。勿論双方マスクを着用し、しっかり消毒しているのでこれ以上どうにもできないのだが。
一刻も早く美容院に行き、髪を梳いてもらいたい気持ちは強い。しかし至近距離で1時間くらいかかるとなるとお互いリスクがあるのでやはり心配である。
それにコロナの影響なのか、イラついて意地悪をしてくる人も増えているようで外出自体怖くなってしまった。今やスーパーに行くだけでもゲッソリ疲れるのだ。狭い通路で側を通っただけで舌打ちする女性を我慢してやり過ごす→目が合っただけで舌打ちする子供が踵を返して去るのを呆然と眺める→ラスボスの輩系おじさんが何故かプンスカ怒りながら登場するのである。あたしゃ何にもしとらんのに皆プンスカぷんぷん一体どうしたのか全くもって分からん!
とまぁこんな不要なエンカウントは勘弁してほしいというわけだ。そんな人達よりも、できれば可愛らしいお散歩ワンちゃんとエンカウントしたい・・・!
なのでなるべく外出は避けたい、というわけである。髪を切らずとも死なないのだ。(髪は死ぬけど)でも首が痛くて限界だ。
ということで思い出したのが、今は懐かしい漫画『BLEACH』に出てくる卯の花烈(うのはなれつ)というキャラクターだ。知っている人はピンとくるだろうが、少し昔の漫画なので分からない方の方が多いかもしれない。
突然マニアックなお話を始めたように聞こえるだろうが、そこは安心して欲しい。私もちゃんと見たことはないというかほぼ知らない。ただ、そのキャラクターの髪型が強烈で覚えていたのだ。
こういう女性だ。
絵はラクガキなのでもはや違う生き物と化しているが、気にしないように。
三つ編みを胸元で編み込むという斬新さ。他のどの漫画にもこれと似た髪型は登場しないのではないだろうか。この物珍しさに覚えていたわけだが・・・これ、もしかして良い髪型なんじゃないか?と思ったのだ。髪の毛が重くて後ろに頭が引っ張られる。ということは髪を前に持ってくればいいのだ。この人のように前で編み込んでしまえば重さは前にかかる。なので、日毎前後を変えて三つ編みする作戦は良い案かもしれない!
やってみよう!
やってみた。どうだろう?いや、どうもこうも変斬新ではあるのだが。
首への縦にかかる負担は変わらないが、後ろにばかりかかっていた重みが今度は前にきたので首後ろがシッカリ伸びてる気がする。うむ。これは良い方法だ!
と言いたかったが、早々に問題が浮上した。首が苦しい。それにいつもは無い位置に三つ編みがあるのはかなりの違和感である。変だし。長い髭みたいだし。
まぁしかし家にいる分には問題ない。首への負担を分散させることが急務なのである。これで首のコリや痛みも減るだろう。良い方法が見つかってよかった!
と本気で思っていたけれど、突然運送会社さんが来ることは想定していなかった。
あの時の配達員さん、どうか私の姿は忘れて欲しい。頼むから。
作成者 マスク探しに時間を取られ、顎下三つ編みのことはすっかり忘れて颯爽とドアを開けてしまったあかね