『スターウォーズ』
1977年に上映された第一作目のエピソード4/新たなる希望から現代まで43年も続く、宇宙を舞台にした大人気映画だ。
SFというものを飛躍的に成長させたSF界のレジェンドである。
未知のパワーを持ったヒーローであるジェダイと呼ばれる主人公達(レジスタンス)が帝国軍と戦うことが主なストーリー。
エピソードは9まであるものの、1〜3(99年から上映)4〜6(77年から上映)7〜9(15年から上映)とそれぞれ3部作構成となっており、その都度時代と主人公が変わる。
主人公達が持つライトセイバーに憧れてオモチャをねだったこともあるだろう。
また、スターウォーズをあまりご存知でない方でもあの壮大な音楽はどこかで聞いたことがあるのではないだろうか。
オーケストラが織りなすパワフルなあの曲。
聴くと勇気とか元気といったポジティブなパワーが不思議と出てくる曲だ。
めくるめく冒険が始まりそうでワクワクしてしまう。
そんな曲を聞くと思い浮かぶのが東京ディズニーランドにあるアトラクション『スターツアーズ』だ。
宇宙船に乗船した我々を迎え入れてくれるスターウォーズのキャラクター達とスリルのある冒険をするこちらのアトラクション。
2012年に13年の月日を経てクローズし、その後新たに映像が順次追加される形でリニューアルオープン。
去年の12月20日にはエピソード9の内容も追加され、今でも根強い人気がある。
とはいえ、近年スターウォーズの映画は人気が低迷している気がする。
もちろん昔からのファンは多くいるし、コラボグッズなどは未だにどこでも見かける。
でもみんながみんなそれらを求めて長蛇の列!などということは無いし、映画館も席が空いていて寂しい感じだ。
新規のファンを作るには、最新作を見ることで歴代のエピソードを遡りたくなる流れを作らなければならない。
最新作だけ見ても登場人物もストーリーも分からないことだらけだからだ。
しかし戦いが長く続き過ぎているからだろうか。
ストーリーが薄くなってきて、戦闘シーンも歓声が挙がるようなものでは無くなった。
壮大な展開という目新しさが、技術の向上によっていとも簡単に再現できるようになったからかもしれない。
今ではCGでなんでも再現可能だ。
似たような映画もたくさん出ていることで埋もれてしまうのかもしれない。
他とは一線を超えた世界観という点が弱くなってしまったのだ。
宇宙戦争映画のジャンルではまだ上位にいる、もしくはトップに君臨しているとは思うが、昔のように「スターウォーズが上映されたら絶対に観なきゃ!」という声が少なくなった気がする。
それでも、スターウォーズは面白い。
そう思わせる何かがあるのだ。
今回は去年12月から上映を開始したエピソード9/スカイウォーカーの夜明けを完全ネタバレで気になったことを話していく。
内容的にはツッコミだ。
歴代のストーリーや登場人物も混ぜていくのでご了承願う。
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ジェダイの恋事情『え、チューしちゃうの?』
アナキンとパドメとか、ハンソロとレイアとか、スターウォーズシリーズには大抵恋人の間柄というものがある。
しかし最新作における登場人物間ではそこらへんが弱い。
誰と誰がくっつくのかな?と思ったら急に登場した人と恋仲っぽくなりかける、といった中途半端な具合なのだ。
男性陣にはフォー、フィンの二人。女性はレイの一人だけ。
前回からなんとなくフィンがレイに恋心を抱いているような雰囲気だったが特に進展は無かった。
それに問題なのは歴代の女性陣と違ってレイは闘える、というか一番強いことだ。
昔の映画の王道シチュエーションではあるが、男性が女性をカッコよく助けるシーンが無いのだ。
そもそもフィンの片思いっぽいからくっつく予定は無かったのかもしれないが。
あ、チューバッカは男性かもしれないがよく分からないので省く。
今回は、いきなりフォーに恋人候補が現れて顔も見せずに進展もしなかったし、フィンがレイに伝えたいことがあったらしいが言わずに終わった。
しかも、レイが最終的に選んだチューの相手はカイロ・レン!?
味方になってくれたのは心強いけれど、そんな感じがどこからあったのか疑問だ。
いっつも汗かいて情緒不安定な彼のどこに男性としての魅力を感じたのか。
確かに危機一髪で助けに来てくれたし、精神的な繋がりがあるのは前作からそうだったけど。
それならもうちょっと歩み寄る部分を掘り下げて、絆を作る場面を増やしてからにしてほしかった。
レイア姫の死に気づいた二人が距離を縮めている感じは少しはあったが、パルパティーンのところとかもうちょっとカッコよく助けてほしい。
カイロ・レンはやられすぎだ。
あと汗拭いてくれ。
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いじめられっ子『し、将軍ー!!!』
サブキャラ感が強い彼ではあるが、前作から行く末がちょっと気になっていたサックス将軍。
上官からいじめられ蔑まれて何も上手くいかない、可哀想な人だなぁと思っていた。
まるで上司と部下に挟まれていて苦労しているけれど、それほどスキルのない中間職の人間って感じだ。
だが今回遂にアツイ展開があった。
えーっ!?ってなった。一瞬。
フォーやフィンも同じ反応だった。
あれだけイジられてたし、カイロ・レンに反発ばかりしていた彼なので全然アリだ。
震えながら寝返るこの感じ、いいねぇ!
・・・と思ったら
一瞬でやられた。
実際はスパイじゃないのにスパイだとか意気込んでいただけだが、そこからの行動がちょっと楽しみだったのだ。
でも彼は所詮いじめられっ子キャラ。
フィンに腕を撃つように言ったら足を撃たれるし、最高司令官と言おうとしただけで怒られるし、最後はフォー達を逃したことがバレてあっさり撃たれた。
こんな終わりでいいのだろうか。
最後のエンドスクロール後でもいいし、民衆がバンザーイって言ってる中にいたら面白いのに居なかった。
(もしくは見逃したか?)
草葉の陰でションボリしている彼がいそうで切ない。
※ミチタさんに言われたのだが、この人「ハックス将軍」かもしれない。
すまん、ハックス将軍。
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ホラー要素『グロ注意』
こんな閲覧注意なシーン、今まであっただろうか。
冒頭に出てきたスパイ活動中のレジスタンスの仲間がテーブルにゴロン。
衝撃の生首登場である。
いやいや!
いやいやいや!
R18 指定だっけ?この映画。
モザイク案件だと思うが普通に出てきた。
しかも、それに恐れおののく味方達!
といった心理描写もなくアッサリ次の話へ移ってしまった。
冷酷非道なカイロ・レンの見せつけにしては、なんかこうゾッとする余韻がなかったのが残念だ。
実際のシーン ↓ ↓ ↓
カイロ・レン「スパイを見つけた」
生首ドン!
その他の皆さん「ほんとだ」
これだとちょっと展開が薄い。
例えば ↓ ↓ ↓
カイロ・レン「スパイを見つけた」
シーンが変わる。
そこらへんの通路に打ち捨てられた生首ゴロン。
の方が怖いなぁと妄想してしまった。
そういう見せ方はもう古いのだろうか。
もしくは、それだとグロテスクさが増してしまうからNGなのだろうか。
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フィンの仲間『原始的!』
今回新しく登場した人物の中に、フィンのように反乱を起こして逃げ出した元ストームトルーパー達がいる。
彼女達の武器はなんと弓!
牛さんに乗って弓を放つのだ。
一応爆弾も持っているようだが。
しかし、弓を一投放っただけで敵機が1機撃ち落とされたのにはビックリした。
ライトセイバーよりも優秀じゃないか。
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猪のようなレイ『危機一髪は自業自得』
単独突進しがちなレイ。
しかもそれでいて危機に陥るから「ちょっと待て!」と言いたい。
船を盗んで三角形の何かを取りに行ったらカイロ・レンに壊されちゃうし、そのまま一人でパルパティーンのところに行ったらあっと言う間に追い詰められて「わかった!私、シスになる!」と妙に諦めの良さを出すし。
なんなんだ、面倒見きれないぞ。
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金持ち集団『いつでも大艦隊』
帝国軍は一体どこに財力や資源があるの?と昔から思っていた。
ずっと戦争しているのに人手が尽きないし武器も沢山用意できる。
コッソリどこかの星に貯蓄しているのかもしれないが、それにしてもいっつも大きな船を作っているのだ。
最新っぽいのをたっくさん。
クローン技術を持っていたり他の星から人材を拐ってくるなどと言っていたが、それでは烏合の衆だ。
そんなまとまりが危うい集団で世界征服なんて目論んで上手くいくのだろうか。
帝国軍みんなの志が高いのならいいが、それに伴っていない部分もある気がしてならない。
フィンや他の人みたいに逃げ出されて内部情報ダダ漏れでも仕方がないわけだ。
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射的能力が謎『みんな三流ガンマン?』
あれだけいるストームトルーパー達の弾がレイ達にほぼ当たらないのは、彼らの射的能力が低すぎるのではないだろうかと思っている。
主人公達はたった1発で敵の急所に当てられるようだが、ストームトルーパーは何十人打っても1発当たるかどうかといったところ。
そういえばレジスタンスは闘いに明け暮れているから戦闘能力は高そうだが、ストームトルーパー達は普段何をしているのだろうか?
芸能人追っかけ的なことや取り立て屋もどき、皆んなで敬礼とか隊列を組む練習くらいしかしていない気がする。
数で押せー!という集団なのだろうが、それにしても弾を外しすぎだ。
頑丈そうな服を着ているのにたった1発の弾でやられるし。
あの特殊なヘルメットに予算を取りすぎて、実は体はペラペラのインナーシャツ1枚とかなのかもしれない。
そりゃやられるしかない。
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新キャラなのに影が薄い『悪の六人衆』
エピソード9で新たに登場した彼ら。
武器や仮面がそれぞれ違っていて個性を表してるわりには全くもって活躍しなかった。
むしろ微妙に個性を出すことで絶妙なカッコ悪さを醸し出している。
お坊さんの釈みたいなのを持っている人もいるけど、それ武器なの?と聞きたい。
彼らは昔の漫画で
「まずはオレが相手だ!」
「次はオレだ!」
「今までのは雑魚だ。オレが一番強いのだ!」
という段々強い奴が出てくるパターンになりそうなチープ感がある。
でも実際はみんな仲良し、いつも一緒。
至る所でマントをはためかせて武器をちらつかせるだけの、チープささえも打ち消すほどの雑魚感。
言い過ぎだったらごめんなさい。
でも、そう思われても無理はない。
砂漠でチューバッカが攫われるシーンでは後ろから覗くだけだったし。
それどころか、あろうことかチューバッカを捕虜に捕らえるという暴挙。
戦わないんかい!と思った。
彼らにプライドは無いのだろうか。
堂々と現れることができないくらい弱いのだろうか。
しかも結局そのあとストーカーみたいにカイロ・レンが現れて綱引きが始まった時、何処にいたんだ六人衆は。
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物陰から見つめるカイロ・レン『ストーカー?』
レイと精神が繋がっているようだが、それを良しとしてしょっちゅう電話(テレパシー?)をかけてくる。
まるでストーカーのようだ。
電話なら出なけりゃOKだが、二人の場合は勝手に繋がるし本人の姿が見えるらしい。
背景は見えないけれど触ることで相手にも見える的なシーンがあった。
なんか・・・すごく面倒な能力だ。
トイレ休憩中とかじゃなくて良かった。
こういちいち勝手に繋がったり切れたりしてたら、おちおち生活していられないじゃないか。
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フォース最強『チートパワー』
ライトセイバーをビューンと飛ばして掴むなどの遠隔操作をしたり、なんやかんや様々なところで使っていたフォース。
万能すぎる。
亡くなってもボワーンとした幽霊みたいな存在で出てきたり、予知みたいなものができたり。
なんかもうなんでもありだ。
次回作あたりでジェダイは飛んじゃうんじゃないかと思う。
(レイア姫の宇宙空間浮遊は含まない)
そうなったらちょっとカオスだ。
スターウォーズの要である宇宙船が要らなくなったりするかもしれないし、船とジェダイが空にワーーーと現れるかもしれない。
それからレイの癒すパワーが加わったら百人力だ。
と言ってもその力はパルパティーンのものなのでフォースではないが、こんな力もあればもう帝国軍がしゃしゃり出てくる幕は無いのではないだろうか。
とりあえずはライトセイバーが使える人がレイくらいしか居なくなったのは寂しいので、なんとかマスターになって新しいジェダイを育ててほしい。
レイ、ガンバ!※
※頑張れ!という意味。10年以上前から「もう古い」と言われていたので最早死語でなく化石語かもしれない。
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チーム意識を忘れないで『仲間じゃないか』
仲間との絆をテーマにしている割には今回の3部作はみな単独行動が多く、連携が取れているかというとそうでもない。
レイは勝手に色々行っちゃうし、フィンはフォーと一緒にいるだけで強くも弱くもなく「仲間を助けなきゃ!」というシーンも無い。
むしろチューバッカがさらわれた時に自力で助けに行くのかと思いきや、レイに「攫われた!あの船だ!」とか報告に行った。
そこはフォーやBB-8と機転を利かせた救出劇があっても良かったのでは。
ただ、先ほども言ったフォースの力がこの辺りで覚醒していた為「船一隻を止めちゃうレイがすごい!」というシーンが欠かせなかったのだろう。
カイロ・レンと引っ張りあいっこして船が爆発しちゃうのは予想外だったが・・・
そういえば何故爆発したんだろう?
結局よく分からなかった。
当事者のレイも驚いていたが、伏線もなくいきなりドカーン!「チューバッカ死す!?」という展開にされても、急すぎて無理矢理感がある。
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カイロ・レンはひとりぼっち『嫌われっ子』
最新作でも護衛を引き連れたりせずたった1人で色々飛び回っていた。
なんなら三角形のアレの回収とかストームトルーパーにやらせるものでは?と思ったが、帝国軍を信頼していないということかもしれない。
しかしここまで1人で勝手に行動するなら、帝国軍のトップにいることは変だ。
彼にとってもパルパティーンにとってもメリットがなさそうに見える。
パルパティーン自身も彼を信用してなさそうだし操りづらいのは分かっていたのだから「お前はシス側なんだ!」と洗脳して傘下に入っていることだけ自覚させれば良い。
地位を与えてもそれに見合った働き(的確に指示を出すなど)ができない最高司令官って必要?
~ここでちょっとしたおまけ~
さいごに
伏線だと思っていたことが実は伏線では無かったりして、サラッと終わってしまう感が否めない。
もちろん見せ方が違うと感じるのは私がついていけてないだけかもしれないが、今ひとつ足りない気がする。
でもそれはまだまだ続編が出るからこその曖昧さなのだったら嬉しいが。
と、ここまで散々イジったが
結論は「めっちゃ面白かった」である。
むしろそういうところが面白い。
長く続いているからこそあーだこーだと意見が出てきてこうしたツッコミが出てくるが、それもスターウォーズ愛である。
指でツーとなぞって「窓のサッシにホコリがついているわよ!」と嫁いびりをするお姑さんみたいだなぁと自分でも思う。
しかし、作品を全て受け入れるのではなく、色々妄想するのも楽しいのだ。
嫁をいじめているようで心の奥底では認めている面倒くさいお姑さんのようだが、とにかくスターウォーズが好きなのだ。
考察をしてしまうほど過去作もシッカリ見て、シリーズ全部を楽しむのが『スターウォーズ』の醍醐味かもしれない。
最後にちょっとかっこよかったシーン ↓ ↓ ↓
レイを助けにいったカイロ・レンにレイがまるで手品のようにライトセイバーを渡すところ。
このシーンには思わず「おぉっ!」とどよめいた(私の中で)
ライトセイバーじゃなくても何かしら武器を持って来なきゃパルパティーンには絶対敵わないだろうに、何故丸腰で来たのかは疑問だ。
でもフォースの力だけでも倒せそうなくらいカイロ・レンも成長したので、ボス以外はフォースで倒してボスと対抗する時だけライトセイバーを使う気だったのかもしれない。
レイに持ってかれちゃったから持っていけなかったけど、それなら代わりの銃とか剣でもいいからあった方がいいと思う。
それにしてもパルパティーンの雷ピカピカ光線、強すぎてズルイ。
作成者 R2-D2も大好きだが、丸いフォルムで走り回る可愛いBB-8に心を奪われがちなあかね
C3-POのメモリーが元に戻ったとき誰も興味無くて可哀想