1月末に訪れた山梨県。
ミチタさんのバス旅撮影で訪れたのだが、その道のりは非常に険しかった。
ますば昨年の台風による土砂崩れの為にバスルートの一部区間が未だ全面通行止めというハプニング(!)
これにより急遽山間の道を1時間以上歩いて次のバス停へ向かうことになったのだ。
山道をえんやーこーらやっと
舗装された道ではあるものの山あり谷あり。
日向は汗をかくほど暑く、雪が残る日陰は寒い。
そしてなにより私が背負う(機材等が入っている)リュックの重み。
軽い登山経験がなければしんどかったかもしれない。
体力というより、ずっと続く坂道に心が折れていただろう。
でも自然があふれる景色はとても綺麗だった。
途中、現在運行していないバスルートに合流した辺りには趣のある建物が建ち並んでいる。
のどかな風景。
空気は美味しくて静かな美しい集落。
のんびりとした気持ちになる。
しかし、途中で見つけた看板に仰天した。
クマ出るんかい。
いや、呼んでない。
しかし、こんな人里にも出てくるのか。
気をつけて進まねばならない。
さて、そうこうしているうちに川の音が近づいてきた。
こちらは目的地である道志村を流れる川。
緑がかった乳白色で綺麗だ。
川幅が広くなってきた頃ようやくバス停が見えてきた。
こちらはバス停の目の前にある橋の上からの景色。
橋には神奈川県と山梨県の県境の看板がある。
そこまで高低差がある山道ではないが、重い荷物と寒暖の差が激しいことで体力を消耗したので私はもうヘロヘロりんだ。
だがここまで来ればあとはバスに乗るだけ。
ふー。やっと一息できる。
寒いよー寒すぎるよー
さて到着したはいいものの、次のバスが来るまで大分待つ。
歩いている時は暖かさを感じていたが、この辺りは山陰になっているので非常に寒い。
歩き通しだったので唯一自販機の前にポツンとある椅子に座ってみたが、凍えるほど寒くて歯がガチガチと鳴り始めた。
寒すぎる。
ものの数分で「無理っ!」と思い、日向を求めて歩いてみることにした。
が、日向に出て振り返ったら日陰が追ってきており、じわじわと迫り来る影から逃げ続けるという状況。
このままでは神奈川県に戻ってしまいそうな勢いだったので、諦めて再びバス停の近くで待つことに。
そうして忍耐に忍耐を重ねて過ごしているとバスがやってきた。
定刻通りにバスには乗り、つかの間の暖かい車内に和む。
だが数十分後にバスを降りた先は一面真っ白い雪景色だった。
日もだいぶ傾いている。
ここで本日のバス旅は終了したので、このまま宿まで歩いて向かうことにした。
こちらは先ほどの川の上流。
透き通った綺麗な水が流れている。
(小さすぎて見えないかもしれないが)遠くに夕日に照らされた富士山のあたまのちょんぼりが見える。
そうして宿に着いたのは日没直前。
もし完全に日が落ちてしまったら更に寒さが増すだろう。
雪は無いと思って少々薄手の装備で来てしまったので、このあたりで本当にもう限界を迎えようとしていた。
こちらが泊まった宿。
『民宿 水の元』である。
看板の裏手にある出入り口へと向かい、入口のところまで来たが・・・。
予定時間よりもかなり早い到着だった為、民宿の方はなんとお出かけ中(!)
しかし辺りは山陰のうえ日はほとんど落ちている。
寒すぎて体調不良になりかけていたので「これは本当にダメだ」と判断し、心の中でごめんなさいを唱えながらストーブがついている玄関先まで上がらせてもらった。
それから1時間。
震える手足をストーブに当てて待っていたが、電話をかけてみるものの電波不良でなかなか繋がらず。
そうして気が遠くなりかけている時にようやく連絡が取れた。
「好きな部屋に入って、部屋の外に沢山置いてあるストーブやお布団を使っていい」とのこと。
やった!
やったぁ!
暖かいお部屋ー!!
ワーーーっと階段を駆け上がりたい気持ちだが、寒さで動かぬ足をなんとか動かしてお部屋に上がらせてもらった。
いや、それにしても雪国は寒い。当たり前だが。
しかも山道を歩いてきて汗だくになったことで、気温が下がってから体はすっかり冷え切ってしまっていた。
ストーブやこたつが嬉しくて仕方ない。
畳のお部屋なので、ストーブの取り扱いには気をつけつつ暖を取ることにした。
少しずつ体が温まって来た頃、民宿の方が帰ってこられた。
すると「急な用事があって遅くなったから」ということでお夕飯を買ってきてくださった。
非常にありがたい。
甘くて美味しいみかんも沢山下さり、我々は満腹ポカポカで休むことができた。
ああ、本当に動けなくなるかと思った。
作成者 いただいたお風呂のお湯が激熱で、ゆでだこになったおかげで湯冷めせず安眠できたあかね