『ウィリー』を知っているだろうか。
オートバイや自転車で、前輪を上げて後輪だけで走行する技術である。
詳しくは知らないが、バイクパフォーマンスとして取り入れられているものだ。
だが、公道でやるようなものでないことは皆重々承知していると思う。
失敗したら怪我するし、お巡りさんに捕まるし。
そもそもそこいらでやる意味は無いのだ。
でも、いた。
歩道で信号待ちをしていた時、
通り過ぎるバイクが突然前輪を持ち上げてポーズをとったのだ。こっちを見ながら。
ヘルメットをかぶっていたため表情は分からなかったが、多分笑顔だ。
むしろ真顔でやってたら怖いが。
そうして華麗に決まったウィリーだが、見せつけられた私はというと恥ずかしくなった。いわゆる共感性羞恥である。
中二病のかっこつけを見て恥ずかしくなる気持ちと似た感じだ。
ババーン!という効果音が聞こえてきそうだが、こちらとしてはポカーンである。
非常に困惑させられた。
こういった技は大会などで披露するからこそカッコ良く決まるものだし、沢山のオーディエンスがいるからこそ盛り上がるのだ。
なので、そこらへんで不意に見せつけるのは変だ。
露出狂の露出行為と同じである。
残念なことに、そういう変なのがいる時に限ってパトカーは見当たらない。
まぁそのうち危険走行で捕まるか、失敗して怪我でもするだろう。
怪我をしてほしいわけではないが、辞めるきっかけにはなったらいいなぁと思う。
カッコつけて事故なんて起こしたらたまったもんじゃない。
巻き込まれる人がいたら尚更酷い。
将来黒歴史になりそうな彼のパフォーマンスだが、それを見て顔が真っ赤になった私を見た彼の心中やいかに。
こちらの顔なんて見ちゃいないだろうが、もし見ていても決して「きゃー!カッコいい!」などとは1ミリも思っていないので勘違いしていなければいいのだが。
ミチタさんに「変質者がいた」と報告したことなど彼は知る由もないだろう。
ウィリー自体はカッコいいが、時と場合を考えておくれといったところだ。
作成者 ドッキリ映像とか苦手なあかね