ソックタッチ50周年記念

今時の若い子が使っているのかどうかは知らないが、私が学生の頃は当たり前だったソックタッチ。

 

「グシャッと落ちたらだらしないし、カッコ悪い」という理由で靴下と肌を糊付けするのである。

 

その専用の糊のことをソックタッチという。

 

私が学生の頃はほとんどの子がカバンに入れて持ち歩いており、登下校では必ず付け直してパリッと整った靴下で過ごしていたものだ。

 

が、私はちょいと他の子とは違うことをしていた。

 

実は当時の私が使っていたのはソックタッチではなく…

 

アラビックヤマトである!

 

アラビックヤマト

みなさんはご存じだろうか?

 

糊である。

 

そう、ただの糊である。

 

1972年に発売されて長く親しまれてきたソックタッチを差し置いて私が愛用していたのは紙などを貼り付ける王道の糊、アラビックヤマト

 

アラビックヤマトの方は1975年に発売開始ということなので、ソックタッチ先輩より3年ほど後輩に当たる。

 

どちらも歴が長く頼りになるが、私は99%の人が選ぶであろう先輩ではなく後輩を選んだのだ。

 

まー理由は単純明快である。

 

ソックタッチは肌に触れることを考えて作られた糊なので粘着力が弱く、結構すぐに剥がれてしまうのが嫌だったのだ。

 

そもそも私のふくらはぎは姿勢の悪さや変な歩き方のせいで異常に発達しておりムキムキしているので、靴下がすぐにずり落ちる運命にあったのがいけないのだ。

 

だがその点、アラビックヤマトならしっかり張り付く!

 

もちろん剥がす時はビリビリと肌にダメージを与えながら産毛を根こそぎ掻っ攫っていくのだが。

 

たまに肌荒れを起こして赤く腫れ、ブラジリアンワックスのように毛を引き抜いたせいで糊付けた場所がドーナツ状に脱毛された皮膚が痛々しいなぁと自分でも思っていた。

 

それなのに、周りの子がピンクとか水色のスティックをぬりぬりしている中で私はオレンジ色のスティックをぬりぬり。

 

そりゃあ皆んなにツッコまれたものだ。

 

「無いなら貸してあげようかー?」とか「そんなの塗ったら肌が痛んじゃうよ!」という優しい助言を聞き流しながら決して離さないオレンジ色の糊。

 

何年も経った今でも当時からの友達に「アラビックヤマト付けてたよね」と笑われているが、多分今また靴下を綺麗に履きたいならやはりそっちを使うと思う。

 

でも紙を貼り付けるなら別のにする。

 

だってアラビックヤマトで貼り付けると紙が浸水した感じで波打っちゃうから…。

裏切り御免。

 

 

 

作成者 あの網目の部分からじんわりと糊が滲み出てくるのを見るのが好きなあかね