歳を取ったらシワができる。
きちんとケアをしていればツルツルのままという人もいるだろうが、やはり多少は皮膚に変化はあるものだ。
歳を取ればそうした変化があるのは当たり前だが、見た目を気にする人も多いだろう。
だが、私にはできてもいいなぁと思っているシワが一つある。
それは『目尻の笑いシワ』である。
俗に言うカラスの足跡だ。
なぜそれに憧れるかというと、身近にいる人のそのシワを見ていて「なんかいいな」と思ったからである。
何故かというとその人が実に幸せそうなのだ。
彼は仕事も趣味も休む時も全力で楽しみ、今を全力で生きているのである。
ありあまるエネルギーがほとんど衰えることがないのは、常に最大の出力を出し切って色んなことに取り組んでいるからだろう。
そうすることで自分に自信もつくし、自信がつけば失敗も笑いに変えられるし、いつでも笑っていられるのだ。
だからこそ目尻のシワがとても深いのである。
ちなみに私がその人の涙を見たのは一度きり。
私が受験に合格した時だけだ。
そう、嬉し涙である。
たくさんたくさん苦労してきたのに泣いたのはその時くらいだし、いつでもどんなことでも笑って冗談を交えて話せる強い人なのだ。
そんな幸せいっぱいの彼がとても羨ましいし、誇りに思っている。
と、ここまで褒め称えてしまったもんだから言うか言わないか悩んだが
これはまぁ父の話である。
ちなみにシワということで我が親愛なる祖母の話を挟むが、彼女は齢90を超えてもツルッツルのお肌だ。
本当にシワが無い。
なんなら父母や私よりも無い。
昔から身嗜みに気を遣いスキンケアを続けているので、卵みたいな肌をしていて非常に美しいのだ。
ただ、そんな祖母のような若々しいツルツルの顔と同じくらい父のような幸せなシワが刻まれた顔も綺麗だなと思う。
だが、そんな家族を見てきたというのに今の私はどうだ。
まるで突然変異したようだ。
おでこのシワだの目尻の垂れ下がったシワは年齢にそぐわないし、シミなんて20年後の自分かなというくらい濃くなってしまった。
決して幸せそうには見えない私の顔。
このままじゃダメだ!
ということで最近になってようやくそれを改善するべく色々と手を尽くすようになった。
あまりにも遅いとは思うが、思い立ったのが最近だから仕方ない。
今はまだ余計なシワとシミばかりあって恥ずかしいし、同年代の綺麗な女性を見ると惨めにも感じるが、「もう遅いから」なんて逃げるのは癪である。
結果という結果はまだ出ていないが、努力は続けようと思っている。
そうして祖母のお肌を目指しつつ、父のように全力で毎日を楽しく過ごして『幸せのシワ』という幸福の証をいつか刻みたいものだ。
作成者 シワも相当だがシミが特に酷くて友人に「殴られたの!?」と余計な心配をかけてしまい、反省してより一層スキンケアに身が入ったあかね