ハスラーのCMのアニメ画は一体誰が描いたのか。
軽く検索すると曲の方が注目されているようだが、この絵・・・すごく素敵じゃない?
登場人物の顔立ちが美しいし、全体的にカラフルですごく可愛いのだ!
数秒の中でみんな生き生きとして躍動感に溢れていて、このまま何かの物語が始まるんじゃないのかとワクワクしてしまう。
むしろ何も始まらないのが寂しいくらいだ。
想像力だけは得意な私にぜひ原作を書かせて欲しいと思ってしまう。
いや、烏滸がましいのは重々承知だが。
この素敵な絵が想像力を掻き立てるのだ。仕方ない。
そんな風にCMによって胸を高鳴らせるというのはとても重要なことである。
物自体への興味があまりなくとも、目を引く映像は印象に残りやすい。
例えば、たまたま車を買おうとしているがどれを選ぼうか迷っている時。
ふと頭の中で鮮やかで美しいアニメ画が浮かび、無意識のうちに「ハスラーって素敵」という印象が植え付けられていたりするのだ。
そんな言い方じゃあまるで洗脳でもされているようだが、まぁコマーシャルというのはそういう刷り込みによって決め手の一石となるのが目的なんだろうなぁと思う。
難しいことは知らんが、たぶん。
それにしても"脳が洗われている"というとまるで騙されているように捉えられるかもしれないが、結局は本人の感覚に訴えかけてピッタリ合致した場合にのみ素敵レーダーが反応するわけなので、別に本人の意思とか感じ方を無視しているわけじゃない。と釈明しておこう。
ちなみに車のCMというと、森の中とか広ーいハイウェイとかどっかの立派な橋の上とか
とにかく走っていて気持ちがいいだろうなぁという場所を背景にしがちだ。
それをみて「あ〜こんなカッコいい車でこんな広々としたところを悠々と走ってみたい〜!」と思い馳せるのだが、もうその時点で人々は洗脳されているのだ。
今まではそういった実在する素敵な場所で車を走らせている演出が多かったが、パッと目を引く色彩と動きのあるハスラーのCMはこれまでとは少し異なる方法で見る人を惹き寄せているわけだ。
ビビットカラーは人間の目が注目しやすいので、コンセプトに反しない限りはCMや看板などの広告では大体使われているが、それがもう画面全体でワチャワチャしていることがまず珍しい。
初めて見た時は「素敵なアニメ画だな〜なんの映画かな」と思って見逃さないように注目していたのに途中から車が登場したのでツッコまずにはいられなかった。
冒頭でも言ったが、なんか素敵な新しい映画かと思ったのだ。
その点に関しては騙されたと言っても過言ではない。多少落ち込みもした。
と、ここで突然だが『竜とそばかすの姫』という映画を知っているだろうか?
2021年7月16日公開のアニメ映画で、監督は「時をかける少女」や「サマーウォーズ」で有名な細田守さんである。
このアニメの作画、なんとなーくハスラーのCMの作画と似ていないだろうか?
主人公の仮想世界のアバターをデザインしたのは「塔の上のラプンツェル」や「アナと雪の女王」にてキャラクターデザインを手がけたキム・ジンさんという方らしいが、ハスラーの絵柄もなんとなーく似たような雰囲気が感じられる。
パアッと明るい笑顔とか、口の感じとか。
まぁ絵心のない私の"なんとなく"は全くもって当てにならないが、似てるな〜と思ったのだ。
アニメ映画を一枚一枚を切り出してみた時にその一瞬のたった1枚の絵が完成した芸術品として評価されるというのなかなかは難しいだろう。
でもこのCMに出てくるアニメ画の美しいこと!
イラストが動き出しているようなあの美しいフォルムや表情や色彩。
どの瞬間を切り出しても額縁に飾れるような絵。
あぁ、こんな魅力的な絵を描く絵師さんは一体どこのどなたかしら〜。
と思って検索したところ、数ヶ月前まではノーヒットだった。
それでも諦めきれずに定期的に調べたらようやく検索に引っかかるようになったのだ。
この素晴らしい絵を描いているのは高坂希太郎さん、という方らしい。
作品などの詳しいことはわからなかったが、お名前を知れただけで上々だ。
そのうち別の作品を見る機会もあれば嬉しいな。
あ、本当はハスラーの方に注目すべきなのだろうが、車の買い替え時期が来た時に高坂さんの絵と共にハスラーを思い出すだけでもCMとしては成功と言えよう。
車もかっこいいが、今回は高坂さんというアーティストさんを知れたことが何よりの収穫である。
なんかのアニメ作品や美術品やポスターなどの作画をしてくださらないかな〜と願うばかりだ。
今後の活躍も応援したい。
作成者 あかね