渋滞の驚異
お正月渋滞はどこでも起きている。
休みの人が増えて必然的に車が多くなることは勿論、普段あまり運転しない方もこの時期は車に乗る用事があるからだ。
そういうときに普段から運転する派は裏道などの迂回ルートを通るのでさほど問題は無いが、やはり国道や県道はかなり混む。
川を渡る橋なんかもう列がのびに伸びている。
高速道路に至っては考えるだけでも恐ろしい。
さて、そこで出くわすのは不慣れなドライバーさんだ。
今回そうだったのだが、右左折レーンが無い十字路では直進車が右左折車の横を通れるようにそこだけ幅が広くなっているところがある。
強制ではないが、混雑状況によっては車の脇を抜けて直進できるのだ。
しかし、列には並ぶもの。
そのドライバーさんはきっと真面目な方なのだろう。
横のスペースではなく、右折車の真後ろに進んでいってしまったのだ(!)
対向車が途切れるまで右折車は動けないし後続車は直進したいという状況である。
真面目なのは勿論結構だ。車というものは危険と隣り合わせだからだ。
事故やトラブルが起きないように、キッチリしっかり安全に努めるのは全てのドライバーさんの宿命である。
でもね、でも、
ずーーーーーーーーーーっと動かないんだ
これが。
対向車が走る道もかなり混んでいる。
信号が赤に変わってから、交差点に入って待っていた1台だけが右折できるというほどの混み具合なのだ。
これがもし停止線を越えているのに赤信号だからって曲がらない系ドライバーさん(たまにいるが違反なので注意)と、頑なに追い越さない系ドライバーさんだったらどうなるだろう。
お正月が終わるまでこのままかもしれない。
今頃は実家のお袋さんに会いに行っておせち料理に舌鼓を打っているはずが、トイレを我慢しつつ対向車が譲ってくれるのを必死に祈ることになるのかもしれない。
もしかしたら大人だけどお年玉をくれる親戚がもうすぐ帰っちゃうかもしれない。
というのは冗談だが、実際はお巡りさんを呼んで交通整理をお願いする他無いだろう。
それはもう最終手段ではあるが、慣れていなければ臨機応変に対処するのは難しい。
横をすり抜けて行っちゃえ!なんて教習所ではあまり習わないからだ。
しかも今回に至っては対向車がギリギリアウトなタイミングで何台も直進してくるものだから、右折車がどうしても曲がれないという自体に陥っていた。
時間が迫っている
こうなったら絶対にすり抜けてもらわねばなるまい。
私は心の中で「そこ!左側めっちゃ空いてるから!!直進できるから!!」と叫んだ。
ギラギラした目でその車と左側の空いている場所を交互に見ながらテレパシーを送ってみたりもした。
けれどダメだった。
「「「横をすり抜けてさえくれれば・・・!!」」」
後続車は皆そう思ったかもしれない。誠に無念である。
と思っていたら、対向車のバスが一役買ってくれた。
こちら側の列がとんでもないことになっていたのだろう。右折車にパッシングして「お先にどうぞ」合図を出してくれたのだ。
これでようやく列は動き出した。よかった!
流石プロはそういう判断が素早くて的確だ。しかも優しい。
かくして無事に目的地に辿り着くことができた。
こうした出来事に困ったりはするけれど「この道を選んだのは自分だし、気長に待っていよう。」とのんびり構えていた方が気楽だ。
だが・・・実はずーっとトイレを我慢していたのである。
本当にどうしようかと思った。
どうしたらこの状況を打破できるのか。トイレの方から来てくれたりしないだろうか。
お正月早々ムニャムニャなことになってしまったらこの先10年は後悔するだろう。
でもバスのドライバーさんのおかげでこうして助かったのだ。感謝。
あかね